専門技能の証明 メディカルクラークの称号

「メディカルクラーク」の称号

メディカルクラークとは、外来の患者さんと医療スタッフ、病棟の患者さんと医師、看護師などの医療スタッフとの橋渡しや院内の各部署との連絡など、医療スタッフが医療行為に専念できるように事務作業を行うスタッフのことを指します。医療機関にとってたいへん重要な役割を担っていると言えるでしょう。

そこで「医療事務技能審査試験2級」の資格があります。医療事務職のあらゆる専門技能の証明、もしくはスキルアップのための目標として価値のある資格です。   医科と歯科でそれぞれ1級・2級があり、「報酬請求事務能力認定試験」同様受験者が多く、2級合格者には「メディカルクラーク」の称号が与えられます。   一般財団法人 日本医療教育財団のホームページには、 受験資格は問わないと記載されていますが、医療事務技能審査試験2級において、
  • ◎審査委員会が定める「2級試験受験資格に関する教育訓練ガイドライン」に適合すると認めるものを履修した者。
  • ◎医療機関において6か月以上の実務経験を持つ者。
  • (1)、(2)のいずれかに該当する者。
  と記されていることが殆どです。 試験内容は2級の場合、
  1. 実技Ⅰ(接遇、院内コミュニケーション)
  2. 学科(医療事務専門知識)
  3. 実技Ⅱ(医療報酬請求事務)
  の3科目です。

実技Ⅱ

この試験では新規に作成するのではなく、カルテとコンピューター処理レセプトを照らし合わせ、入力漏れや請求ミスが無いかを点検し、訂正、補記して正しいレセプトを完成させるという問題になってきます。現在はレセプト業務などIT化が進んでいるため、こうしたチェックも重要な事務処理となるのです。  

実技Ⅰ

医療事務員として患者さんとどのように接するかが重要で、あとは医療保険制度、医療事務員としての知識などが問われます。   学科に関しては、医療保険制度、公費負担医療制度、算定問題、医学知識の幅広い分野からの出題です。  

試験問題の例をみてみましょう。

 

問1.介護保険制度について正しいものを一つ選び記号で答えなさい。

  • A 第2号被保険者とは、市区町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者をいう。
  • B 被保険者証は、第1号被保険者と第2号被保険者の全員に交付される。
  • C 介護給付は、要支援者と認定された被保険者が受けられる介護サービスである。



問2.窓口徴収額で正しいものを一つ選び記号で答えなさい。

(診療点数 479点  5歳児)

  • A 950円
  • B 958円
  • C 960円
 


このように、3者択一の問題です。

メディカルクラークの称号が与えられるとあって、医療事務職としての高度な知識が必要と同時に、医療現場で働くにあたり患者さんとの対応や院内でのコミュニケーション能力も求められます。 そのためこの資格を取るには相当の勉強が必要になってくると思われますが、やりがいはあるでしょう。