調剤事務を目指すなら
「医療報酬請求事務能力認定試験」や「医療事務技能審査試験」、他に医療事務管理士称号が与えられる「医療事務管理士技能認定試験」などは医科と歯科に分かれておりそれぞれの医療機関で活きる資格です。
ちなみに歯科の場合、医科と比べると医学知識の範囲が狭いため、医療報酬の算定の範囲も少ないので歯科のほうが取り組みやすいと思われます。
では、調剤薬局などで働く調剤事務を目指す場合はどうでしょう。
薬剤を専門に扱う職場ですから、もちろん医科・歯科とは別の知識が必要になってきます。調剤レセプトも存在し、正確に調剤報酬を請求するための知識と技能、そして患者さんの薬の履歴を管理する「調剤服用歴管理指導録」の記入などがあります。
資格としては、「調剤報酬請求事務専門士検定試験」、「調剤事務管理士技能認定試験」などがあります。
調剤報酬請求事務専門士の資格は、国の機関により指定登録された団体が実施しているため、唯一履歴書などに正式に記載できるので、まずはここからという感じです。 1級・2級・3級とあり、より高度な知識を身に付けるのと、調剤報酬改定や保険知識の最新の情報を得るため、二年に一度の更新制度もあります。
スキルの証明
調剤事務管理士の資格は、受付や会計、レセプト業務すべてにおいてのスキルを証明してくれます。 試験内容は実技と学科で、主にレセプトに関する問題が多い中、次のような問題も出題されています。
問1.次の各項の( )に入る最も適切なものをA~Fより選びなさい。
実技は処方箋の読み取りからのレセプト作成です。調剤報酬の独特な算定法があるので、よく理解しておく必要があります。 - (1)投与された薬剤が体内に取り入れられることを( )という。
- (2)肝臓で分解された薬は腎臓で( )され、尿と共に排出される。
- A.作用 B.代謝 C.吸収 D.分解 E.貯蔵 F.ろ過
このように調剤事務として働く場合、調剤報酬や薬剤の知識、そして患者さんへの対応など、小規模な職場とはいえ診療を終えた患者さんが訪れる場所です。
その患者さんを待たせることなく、迅速に対応できるか否かが勝負でもあります。その他に商品を販売することもあるので、商品に関する知識もあるとよいでしょう。
医薬分業化が進む中で、患者さんの立場になって医療機関との連携も大切です。ただお薬をお出しするだけでなく、一人一人の患者さんの服用歴を管理するのも調剤事務のお仕事です。 いかに迅速な対応ができるかは、レセプト業務やデータ入力を素早く、正確にできることだと思います。
かかりつけ薬局と言われるような職場で働くのもいいかもしれません。